2020年5月、求人への初めての応募者の面接があった。
面接場所は横浜の本社。応募者の自宅も横浜とのこと。
そのころはまだコロナにより社内がバタついており、オフィスには私一人。面接も件数はこなしているので緊張やら気負いはないが、とにかく変な人が来ないことを祈っていた。
面接の時間ちょうどくらいに、その女性は現れた。
「すみません、面接にきた小林です。」
ドアを開けて彼女の姿が見えた途端、私は極度に緊張した。
私が過去に関係をもった女性だけでなく、友達も含めて考えても、明らかにもっとも美しい女性だったからである。卵型で整った目鼻立ち、少しウェーブのかかったきれいな髪、スラッとした体型、きれいな声。30代前半ではあるが、どうみてもまだ20代にしか見えない。どれをとっても衝撃的で、まさかこんなきれいな人が面接に来るとは、と心の中がざわついた。
なんとか平静を装い、淡々と面接を進めた。技術的には足りない部分はあるものの、人柄や過去の職歴には問題はなく、不採用にする理由がなかった。
聞くと、もともと就職先が決まっていたが、このコロナ禍で採用が取り消されてしまったとのことであった。
横浜から通うのは無理なので寮に住むことも可能ということで、採用するにあたっての障害は何もなかった。彼女に会うと私が緊張するという一点を除いては・・・。
2日後、私は彼女に採用の連絡をした。
その後2件の応募があり、順次面接を行い、一人は現在の仕事の関係で8月からの採用になったものの、高橋と渋谷の2人を採用し、なんとか無事に採用を終えることができた。