旅行は極秘だったため、家族にはいつもどおりの2泊3日の出張ということにし、他のスタッフには横浜で用事があるため今回は次の日の朝には帰るということにした。
彼女はもともとシフトで休みを取っていた。
1日目は二人ともちゃんと仕事をし、夜はちゃんと抱き合い、そして朝を迎えた。
準備のために一旦自分の部屋に戻り、旅行支度をした。
準備できたよー
ちょっと待ってー!
もうちょっと!
先に車行ってていい?
うん!すぐ行く!
車に乗るとこ見られちゃわないかな?
朝早いから大丈夫だと思うけど…。
まぁ見られたらたまたま一緒になったからちょっと送っていったということにしよう。
苦しいけどまいっか💦
じゃ行ってるねー
車で待ってるとほどなく彼女がやってきた。
「お待たせー。いよいよだね。楽しみー!」
「おう!出発するよ!」
「ゴーゴー!」
そうして出発した。
道中、他愛のない会話をしたり、途中のパーキングエリアで軽食を食べたり、片道4時間位の長旅も楽しく時間が過ぎていき、チェックインの14時くらいにホテルに到着した。
チェックインの際、ホテルスタッフから
「お荷物が届いておりましたので、ご指示通りにお部屋に入れてありますのでご確認ください。」
と言われた。
実は彼女へのサプライズのため、こっそり手配していたものがあった。それをホテルに送り、部屋に入れておいてくれるように頼んでおいたのだ。
「ねー、荷物って何?」
「いいの。あとで見せてあげる。」
「えー何ー?気になるー。」
「いいから。楽しみに待ってて。きっと喜んでくれると思うから。」
「わかったー。部長、何考えてるんですか?」
「ヒロの喜ぶ顔。」
「もう!じゃ楽しみにしておくね。」
そうして部屋に入り、彼女に見られないように送り状を外し、内容がわからないようにした。
「えー!すごーい!ほんとに露天風呂があるー!」
「そういう部屋取ったでしょ!」
「だってこういう部屋初めてなんだもーん。」
「気に入った?」
「うん!部長ありがとう!」
そう言って彼女は私に抱きつきキスをしてきた。
「どうする?外にでて観光する?」
「そうだね。せっかく来たし。夜ご飯はどうするの?」
「お寿司はどう?」
「いいね!お寿司大好き!」
「候補のお寿司屋さんがあるから、観光がてらどっちが良さそうか見てこよう。ここから近いし。」
「部長、完璧だね!」
「見直した?」
「最初から見直すところなんかないよ。ずっと完璧な部長だよ。」
可愛すぎてまた彼女を抱きしめて唇を重ねた。
伊勢の街を少し歩き、いろいろ食べたり夜食を買い込んで、ホテルに戻った。
まだ時間も早かったので、2人で部屋の露天風呂に浸かった。海の見える露天風呂で、天気も良く、風も心地よかった。