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05 自己紹介

05 自己紹介
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 6月15日、私、小林、高橋の3人が寮にそろった。いよいよ明日から勤務が始まる。

 とはいえ開店は7月1日なので、まだ準備期間である。この間に、店舗の準備や技術研修をしなければならない。この店舗で提供するメニューの内、二つは小林が熟練しており、高橋も問題はない。しかし、指圧系マッサージは二人とも未経験なので私が教えなければならない。

 16日、13時に店舗に集合した。

 二人とも寮で顔を合わせているため、挨拶もそこそこにし、まず店舗の準備から始めた。店舗造作は業者さんにやってもらったが、細かい備品の配置などは導線も考えつつ自分たちで決めていった。

 シミュレーションなどもしながら準備を進めていたが、準備中、小林がかがんだときに、彼女の胸元が少し見えた。そこには図柄まではわからなかったがワンポイントのタトゥーが入っていた。彼女はワーキングホリデーで海外に行ってたとも言ってたし、私も海外を旅行してスキューバダイビングをしたときに、現地に留学している日本人女性が何人もワンポイントタトゥーを入れているのを見ていたので、彼女もそのようなノリで入れたんだろうな、としか思わなかった。

 準備は数時間で終わったため、研修は次の日からということにして、懇親会として食事に行くことにした。近所の居酒屋さんに3人で入った。

 二人はすでに私のいないところでかなり話はしていたようで、お互いのことをある程度わかっているとのことだったので、私だけが自己紹介をした。

「一応部長をやってる山下です。これからよろしくお願いします!この会社はもう長くて、店舗もいくつか担当してますが、コロナということもあってしばらくこの店舗につきっきりになるかと思います。とはいえ開店したら週に3日くらい来るくらいかとは思いますが。みんなでいいお店にできれば嬉しいですので、よろしくお願いします。プライベートでは、妻と子供二人で横浜に住んでます。趣味は釣りで休みの日に息子と釣りに行ったりしてます。そんなところですかね。わからないことがあったら気軽に連絡してもらって構いません。人数も少ないし業務連絡はLINEでやりたいのですが、問題はないですか?」

 そうして二人のLINEを聞いてグループをその場で作り、自己紹介を終えた。

 実はこの自己紹介、自分自身で変な気を起こさないために線を引くための自己紹介でもあった。彼女に妻子ありをアピールし、相手にしてもらえないようにする意図もあった。それくらい魅力的な女性であったからだ。

 次の日から研修を始めるため、早めに切り上げて寮に帰った。

 後でわかったことだが、この線を引くための自己紹介も後々彼女の心を動かしていた。

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